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不動産の購入に必要な費用

不動産を購入する際には土地や建物の代金のほかにも様々な費用が必要となります。今回は、不動産の購入時に必要な費用について、どんなものにいくら位かかるのかをお話ししたいと思います。


【契約時】

◆仲介手数料

不動産会社の仲介によって土地や建物を購入した際にかかる費用です。仲介手数料は上限額が宅建業法によって定められており、計算式は以下のとおりです。支払いは契約時と決済時の2回に分けて行うケースと、契約時もしくは決済時に一括で支払うケースがあります。

◆印紙代(不動産売買契約書)

不動産の「売買契約書」に貼る印紙代です。契約書に記載された金額(売買価格)によって印紙の額が決まります。税額は以下のとおりです。

◆手付金

手付金には大きく分けて3種類ありますが、不動産売買ではほとんどが「解約手付」にあたります。「解約手付」とは、契約成立後であっても一定期間内であれば買主は手付を放棄することで、売主は手付金を返還しかつ手付金と同額を買主に支払うことで契約を解除できるとするものです。手付金を支払っても売買代金の一部を支払ったことにはなりませんが、契約時に「手付金は売買代金の一部に充当する」として定めることが一般的です。相場は売買価格の5%~10%です。

 

【住宅ローン契約時】

◆印紙代(金銭消費貸借契約書)

住宅ローン契約時に取り交わす「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙代です。契約書に記載された金額(借入額)によって印紙の額が決まります。税額は[◆印紙代(不動産売買契約書)]の表のとおりです。※金銭消費貸借契約書は、不動産売買契約書とは異なり軽減措置はありません。

 

【決済・引渡し前日まで】

◆火災(地震)保険料

住宅ローンの契約には、火災保険の加入を必須としている金融機関が多いです。保険料は商品や条件によって細かく設定されていて、数万円~数十万円 (5年一括)と様々です。

 

【決済・引渡し時】

◆住宅ローン事務手数料

住宅ローン契約をする金融機関に支払う手数料です。金額は3~5万円もしくは借入額の1%~3%が多いですが、金融機関によって大きく異なるので確認しましょう。

◆住宅ローン保証料

返済が滞った場合に備えて保証会社に支払うものです。支払方法には、一括前払いで支払う「外枠方式」と、月々の返済額に上乗せして支払う「内枠方式」があります。保証料は借入額の0~2%程度ですが、借入の内容や金融機関によって異なるため確認が必要です。

◆登録免許税(所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記)

不動産を取得すると、その不動産の情報や権利関係を法務局の登記簿に記録(登記)します。登録免許税とは、この登記手続きに必要となる税金のことです。計算式は以下のとおりで、登記の種類によって税率が異なります。一定の要件を満たせば軽減措置が適用されます。

◆司法書士報酬

登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。費用は登記内容によりますが5万円~20万円前後が目安です。

◆表題登記費用

新築した建物には登記記録がないので、この不動産の情報を新たに登記しなければいけません。この新規の登記のことを「表題登記」といいます。表題登記には一部の例外を除いて登録免許税はかかりませんが、手続きは一般的に土地家屋調査士に依頼するため、報酬として10万円前後の費用がかかります。

◆日割清算金(固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金)

一般的に、不動産売買ではその年の固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金などは売主と買主のそれぞれが所有していた日数に応じて負担します。通常は引渡日で日割計算し、引渡日以降分を買主が売主に支払います。

 

【決済・引渡し後】

◆不動産取得税

不動産を取得した際にかかる税金です。取得した時に一度だけ支払います。計算式は以下のとおりです。一定の要件を満たせば軽減措置が適用されます。

 

◆固定資産税(都市計画税)

土地・家屋・償却資産を所有していることに対してかかる税金です。所有している限り毎年支払います。計算式は以下のとおりです。一定の要件を満たせば軽減措置が適用されます。

 

上記の金額については、あくまでも目安として参考にしていただきますようお願いいたします。物件、住宅ローンの契約内容、その他条件によって金額には大幅な差異が生じます。正確な金額は不動産業者や税理士に確認してください。

 

これらの諸費用は基本的には現金で用意します。現金で用意できない場合は、住宅ローンと一緒に借りる、諸費用ローンを利用する方法がありますが、月々の返済額が増えることや、諸費用分にも金利がかかるため最終的な返済額が増えることを頭に入れておきましょう。


不動産購入時の諸費用は高額になります。まずはおおよその金額と支払い時期を把握して、諸費用を踏まえた資金計画を立てることが大切です。