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相続した「空き家」を売るタイミングはいつがよい?

 

◆特例を受けられるのは期間限定です

通常は不動産を売却して得た利益には税金がかかりますが、相続によって取得した被相続人の居住用家屋や敷地を売却する際は、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用されれば、売却益のうち3000万円までの控除を受けることができます。

この特例の適用には期間が定められており「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する1231日まで」に売却する必要があるため、実家などの相続した「空き家」を売却するのにベストなタイミングは、『相続開始から3年以内』がひとつの目安となります。

 

◆適用要件があります

この特例の適用には他にも以下の要件が必要です。

・相続または遺贈で取得したものであること

・昭和56531日以前に建築されたものであること

・区分所有建物登記がされていないこと

・被相続人が相続直前まで居住していたこと

・相続の直前に被相続人以外に居住者がいなかったこと

・相続から売却までに事業、貸付け、居住などに使用されていないこと

・建物は一定の耐震基準を満たすか、解体すること

・売却代金が1億円以下であること

・売却した空き家で他の特例の適用を受けていないこと

・同一の被相続人からの相続または遺贈で取得した居住用家屋や敷地でこの特例を受けていないこと

・親族への売却ではないこと 

・特例の期限は令和91231日まで

適用要件が細かく定められているので注意が必要ですが、控除が受けられれば税負担を大きく減らすことができます。

 

◆「空き家」を放置するデメリット

相続した「空き家」は、3年が経過するとこの3000万円の控除が受けられなくなるだけでなく、人が住まなくなった建物は劣化しやすいため、そのまま放置すれば資産価値が低下し、売却価格が値下がりすることになります。

また、ゴミの不法投棄や空き巣被害といった、景観や治安の悪化にもつながります。

 

このように「空き家」は放置しておいてもあまりよいことはありません。

思い入れのあるご実家ですので、なかなか決められないかと思いますが、

「とりあえず数年後に考えようか」と特に理由がなく売却や対策を先延ばしにしているのであれば、なるべく早めにご決断されることをおすすめします。