2022.07.30
不動産業界用語〈上級編〉
不動産業界にはさまざまな業界用語が存在します。
今回の「上級編」では、業界用語のなかでもやや特殊なものをご紹介したいと思います。
◆先物(さきもの)
自社が売主から直接売却の依頼を受けた物件ではなく、他社が売主から売却の依頼を受けている物件のこと。金融業界の先物取引とは別のものです。
◆あんこ(あんこ業者)(あんこぎょうしゃ)
売主側の仲介業者と買主側の仲介業者の間にさらに別の仲介業者が存在することをいいます。あんこ業者は売主や買主と直接関わることがないため、開けてみないと分からないまんじゅうの中のあんこの様であることから、この名が付いたと言われています。近年はインターネットの普及によって情報の収集や共有がしやすくなったため、あんこ業者が介在する取引きは少なくなっています。
◆区分(くぶん)
区分建物の略です。1棟の建物内が構造上・利用上区分され、それぞれに個別の所有権が成立している各部分のことをいいます。代表的なものが分譲マンションの各住戸です。
◆敷延(しきえん)
敷地延長の略で、道路に接している部分が狭く、細い路地の先に広い敷地がある土地のことをいいます。土地全体のことをいう場合もあれば路地の部分を指すこともあります。土地の形が竿に付けた旗のようであることから「旗竿地」と呼ばれたり、他に「路地状敷地」と呼ばれることもあります。
◆青田売り(あおたうり)
完成前の物件を販売すること。その昔、生活に困窮した農民が稲の収穫前(田んぼが青々としている時期)に、その田の収穫量を見越して先売りして収入を得ていたことに由来しています。戸建てやマンションの分譲において、この青田売りは一般的に用いられている販売手法ですが、建築確認や開発許可が下りる前の広告や契約は法律で禁止されています。
◆売り止め(うりどめ/うりやめ)
呼び方によって意味が異なります。
「うりどめ」は、販売中の物件について、販売を一時的に停止していることをいいます。購入希望者から買付証明が入り、契約に向けて商談中の状態です。交渉が決裂した場合は販売を再開します。
「うりやめ」は、販売中の物件について、売主が売却をやめたことをいいます。当初は売却の意思があったものの、何らかの理由で売却を取りやめるというケースです。
不動産の業界用語について3回に分けてお話ししてきましたが、不動産の業界用語はまだまだたくさんあります。基本的には業者間で使われるものなので皆さんが耳にすることはあまりないとは思いますが、不動産業者との会話で分からない用語があれば遠慮せず質問しましょう。不安や疑問を解消して、より良い不動産取引きをしてくださいね。