2022.02.24
重要事項説明書とは
不動産の取引の際に目にする重要事項説明書ですが、何が書かれているの?契約書と何が違うの?どこに注意して読めば良いの?と疑問をお持ちの方ももいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、不動産取引における重要事項説明及び重要事項説明書についてお話したいと思います。
◆重要事項説明書とは
重要事項説明書は物件の詳細が書かれた物件カタログ!
不動産の情報には、住所や広さといった一般的な広告に記載されているものだけでなく、法令上の制限、取引条件、権利関係などさまざまなものがあります。物件に関するこれらの詳細な情報が記載されているものが重要事項説明書です。略して「重説(じゅうせつ)」と呼ばれています。
◆重要事項説明とその目的とは
重要事項説明書の内容を一般的な買主が正しく理解するのは難しいです。買主が物件について正しく理解し、契約締結の意思決定ができるようにするために、専門的な知識を持つ宅地建物取引士が重要事項説明書の内容を解説するのが重要事項説明です。
◆いつ・誰が行うのか
重要事項説明は契約の前までに行われます(契約日当日に行われるのが一般的です)。また宅地建物取引士という国家資格を持った人でなければすることができません。
◆何が書かれているのか
大きく分けると①物件についてと②取引条件についての2つの事柄について書かれています。なお、マンションの場合は追加で説明事項があります。主なものは以下の通りです。
①物件について
・登記された権利の種類・内容等
・都市計画法・建築基準法その他法令に基づく制限
・電気・ガス・上下水道の整備状況
・造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域の内外
・水害ハザードマップにおける所在地
・建物状況調査・耐震診断・石綿等の調査
・私道に関する負担 等
②取引条件について
・購入代金以外に必要な金銭
・契約の解除
・損害賠償額の予定・違約金
・支払金・預り金の保全措置
・金銭の賃借のあっせんの内容と賃借不成立時の措置
・契約不適合責任の履行に関する措置の内容 等
⑶マンションの場合の追加説明
・敷地に関する権利の種類・内容
・共用部分に関する規約
・専有部分の用途その他利用の制限に関する規約
・専用使用権に関する規約
・修繕積立金
・管理の委託先 等
◆重要事項説明書を見る際のポイント
重要事項説明書には非常に多くの情報が記載されています。そのなかでも最低限チェックしておきたいポイントは以下の通りです。
①確実に自分のものになるか
[登記記録に記録された事項]の項目で、現在の所有者以外の権利がないか、金融機関などの抵当権や差押えの登記がされていないかを確認しましょう。
②予定している建物(用途・高さ・広さ)の建築は可能か
[都市計画法・建築基準法等の法令に基づく制限]の項目で、用途地域・建蔽率・容積率・その他の制限などをチェックして、予定している建物が建築可能か確認しましょう。
③契約の解除について
[契約の解除に関する事項]の項目で、契約が解除できるケース、解除できる期間、解除する方法、解除した場合の金銭について確認しましょう。
④物件の購入代金以外に必要となる金銭
[代金・交換差金以外に授受される金銭の額]の項目で、物件の購入代金以外に必要なものについて、何に・いくら必要となるかを確認しましょう。
◆契約書との違い
契約書は売主・買主間の約束事をまとめたもの!
つまり、重要事項説明書と契約書は別物です。どちらの書類にも署名・捺印を行いますが、重要事項説明書への署名・捺印は「物件について理解しました」という証拠であり、契約書への署名・捺印は「購入の意思表示」の証拠であるため、それぞれの目的は異なります。
重要事項説明書には、これから契約する不動産の重要な情報が記載されています。気になる事や分からない事はしっかりと説明を受けて、納得のいく売買契約をしてくださいね。